エコキュートと電気温水器！電気代と仕組みで比較検討

エコキュートや電気温水器の導入をご検討されているものの、どちらの給湯器がご自身の家庭に最適なのか、判断に迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 それぞれの給湯器には、独自の特性やメリット・デメリットが存在し、ご家庭のライフスタイル、お湯の使用頻度、そして何よりも経済性を重視されるポイントによって、最適な選択肢は大きく異なってきます。

そこで今回は、エコキュートと電気温水器の電気代、その動作原理となる仕組み、そして省エネ性能の側面から、両者を詳細に比較・解説いたします。 この情報が、最適な給湯器選びの一助となれば幸いです。

エコキュートの電気代はいくら？

＊エコキュートは電気代がお得

エコキュートは、その名の通り「エコ」な給湯器であり、その最大の特徴は、電気代を大幅に節約できる点にあります。 エコキュートは、電気エネルギーを直接熱に変換するのではなく、空気中に豊富に存在する熱エネルギーをヒートポンプ技術を用いて効率的に回収し、その熱を利用してお湯を沸かす仕組みを採用しています。 この「空気の熱」を活用するという点が、電気ヒーターで直接水を加熱する従来の電気温水器と比較して、圧倒的な省エネ性能を実現する秘密です。

具体例として、大手給湯器メーカーであるダイキン工業の試算によると、エコキュートを導入した場合の年間給湯にかかる光熱費は約20,400円であるのに対し、同等の使用条件で電気温水器を利用した場合の年間給湯光熱費は約60,000円と、実に約3分の1程度の電気代で済むとされています。 これは、エコキュートが投入した電気エネルギーの数倍の熱エネルギーを取り出すことができるため、少ない電気消費量で効率的にお湯を沸かすことが可能だからです。

＊エコキュートの電気代を左右する要因

エコキュートの電気代は、単に給湯器の種類だけでなく、いくつかの重要な要因によって変動します。

まず、最も直接的な影響を与えるのは、ご家庭の人数や、普段からどれだけお湯を使用するかという点です。 家族が多く、シャワーや浴槽への給湯、食器洗いなどで大量のお湯を頻繁に使う場合、当然ながら電気代は高くなる傾向があります。 また、給湯器の設定温度を高く設定していたり、浴槽のお湯の温度を保つための保温機能や、浴槽のお湯を足し直す追い焚き機能を頻繁に利用したりする場合も、消費電力が増加し、結果として電気代が増加する可能性があります。 さらに、お住まいの地域や季節によって大きく異なる外気温も、エコキュートの電気代に影響を与えます。 特に、外気温が低い冬場などは、空気中から熱を回収するためにより多くのエネルギーが必要となり、電気代が高くなることがあります。 加えて、現在ご契約されている電気料金プランも、ランニングコストを左右する非常に重要な要素です。 多くの電力会社が提供する夜間の電気料金が割安になるプラン（例えば「夜間割引」や「タイムセール」のようなもの）を賢く活用することで、エコキュートの電気代をさらに効果的に抑えることが可能です。

エコキュートの電気料金プランは？

＊エコキュート向け料金プランの概要

エコキュートの省エネ性能を最大限に引き出すためには、適切な電気料金プランの選択が不可欠です。 エコキュートは、その特性上、夜間に発電される電気料金が安い時間帯に稼働させ、その間に沸かしたお湯を貯湯タンクに蓄えておくことで、日中の高い電気料金の時間帯の使用量を減らし、結果として電気代全体を抑えるという仕組みで運用されます。 このため、多くの電力会社では、エコキュートのこのような特性を最大限に活用できるように、時間帯によって電気料金が大きく変動する料金プランを提供しています。 これらのプランは、一般的に夜間の電気料金が非常に安く設定されており、その代わり昼間の電気料金は比較的高めに設定されているのが特徴です。

＊エコキュートにおすすめの料金プラン

エコキュートを導入する際に、最も推奨される電気料金プランは、夜間の電気料金が大幅に割引される「オール電化向けプラン」や、時間帯によって料金単価が変わる「時間帯別電灯契約」です。 これらのプランを上手に利用することで、夜間に集中的にお湯を沸かすことができ、日中の電気使用量を抑えつつ、電気代を大幅に節約することが可能になります。 例えば、東京電力エナジーパートナーが提供する「スマートライフS」や「スマートライフL」、関西電力の「はぴeタイムR」など、各電力会社が独自に提供している様々なプランが存在します。 ご自身の家庭での電気の使用パターンや、ライフスタイル（例えば、日中家にいる時間が長いか、夜間に活動することが多いかなど）を考慮し、最も経済的なプランを見つけ出すことが重要です。

エコキュートの電気温水器との違いは？

＊エコキュートと電気温水器の仕組みの違い

エコキュートと電気温水器は、どちらも電気エネルギーを利用してお湯を供給するという点では共通していますが、そのお湯を沸かすための根本的な仕組みには、決定的な違いがあります。 電気温水器は、その名の通り、内部に搭載された電気ヒーターに通電し、その発生する熱によって直接水を加熱してお湯を沸かすという、非常にシンプルな構造となっています。 一方、エコキュートは、前述したように、空気中に存在する熱エネルギーをヒートポンプユニットが効率的に回収し、その回収した熱を圧縮・加熱することで、より少ない電気エネルギーで大量のお湯を沸かすことができるのです。 この、熱源となるエネルギーの取り出し方の違いが、省エネ性能や日々のランニングコストに、非常に大きな影響を与えることになります。

＊エコキュートと電気温水器の省エネ性能比較

エコキュートの省エネ性能の高さは、その仕組みに由来します。 空気中から熱を利用するため、投入した電気エネルギーの数倍の熱エネルギーを生み出すことが可能であり、この高いエネルギー変換効率により、電気温水器と比較して、ランニングコストを大幅に削減できます。 例えば、SUUMOの記事によると、電気温水器の年間給湯にかかるコストが約6万円であるのに対し、エコキュートの場合は約2万円と、その差は実に3倍にもなると報告されており、その経済的なメリットは歴然としています。 初期費用に関しては、エコキュートの方がヒートポンプユニットなどの高性能な機器を搭載しているため、一般的に電気温水器よりも高くなる傾向があります。 しかしながら、長期的に見れば、毎日の給湯にかかるランニングコストの差が、初期費用の差を十分に埋め、結果としてエコキュートの方が経済的であると言えるでしょう。

まとめ

エコキュートと電気温水器は、それぞれ異なる技術的特徴とメリットを持つ給湯器です。

エコキュートは、空気中の熱を最大限に活用するヒートポンプ式の給湯システムであり、電気温水器と比較して電気代を大幅に抑えられる点が、最大の魅力と言えるでしょう。 さらに、夜間の電気料金が割安になる電気料金プランと組み合わせることで、その経済性はさらに向上し、より効率的で経済的な運用が可能となります。 給湯器を選ぶ際には、初期費用だけでなく、ご家庭のお湯の使用状況、家族構成、そして将来的なランニングコストなども総合的に考慮し、ご自身のライフスタイルに最も合った給湯器を選択することが、快適で経済的な暮らしを実現するための鍵となります。

また、各電気会社によるリースを利用し、初期費用を抑えるという方法もあります。

この場合は、ご利用中の電気会社に問い合わせをして頂き、最適なプランでのリース＋月々の電気使用量のお支払いを算出の上、決定されることをおススメします。